第15巻、フォーマルウエア。

せっかくフロッグや燕尾服、モーニングコートの話をしたので、フォーマルの話をしましょう。
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日本のフォーマルウエアは、独特で、世界的から見ればナンダコレだらけです。これは日本のフォーマルの専業メーカーが独自に作り上げたものを、いかにもこれがルールだと広めたことに起因します。
まず略礼服、この不思議なアイテムは、フォーマル専業メーカーの創業者が和服の紋付をアイデアに祝事でも不祝儀でもこれを一枚持っていれば着て行けると考えたものです。まだ日本が貧しい時代にこれは便利と皆がこれを購入しました。天才です、儲かっただろうな。
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そもそも欧米にダークスーツがありますが、それはネイビー、チャコールグレーを指すもので、黒ではありません。ヨーロッパでは黒い色は貧しさの象徴で、忌み嫌らわれてきました。
代々お下がりを着て、目立つ汚れを染め直して着る。段々染めていって最後に染めるのは黒色となるわけです。確かにイタリアの南部やシチリアなどの民族衣装は、黒です。
また、産業革命の頃、すすがひどくて、汚れが目立たないように黒いフロックコートなどが流行しましたが、これも貧しい時代の話です。この頃、モーニングコートも燕尾服も黒が中心となりました。
この黒を嫌うヨーロッパの人に黒をファッションとして認めさせたのは、川久保玲です。凄いですねコムデギャルソン。

話が逸れましたが、当初、日本オリジナルの略礼服は、ダブルブレスト、ノーベンツ、裾ダブルというスタイルでした。訳がわかりません。なぜダブル?燕尾服のルーツがダブルだから?、ノーベンツ?タキシードがノーベンツだから?モーニングはセンターベンツだけど?、裾ダブル?ダブルの裾はスポーティーっていう意味だけど?モーニングや燕尾服、タキシードは全てシングルだけど?分からないことだらけです。
今そのメーカーはシングルピークラペルを押しています。まあノッチラペルの黒はどこのメーカーも作っていて、ライバルが多いから、気持ちはわかるけど。押し付けるのはどうかな?
流石に裾はシングルというのは、25年くらい前から言っていたみたいですけど。

それ以上にひどいのが、モーニングコートです。黒いベストが付いていて、そこに白い取り外し可能な別布のベストのVゾーンに付けるパーツが付いています。祝儀事の時に付けるパーツらしいです。ナニコレ?ワーイ ジャパニーズ ピーポーです。
この正体は和服の伊達襟から発想したらしいです。・・・粋だねって。訳がわかりません。
国際結婚や海外での結婚式が一般化している現在これを着て新郎新婦のお父さんが教会に行くの?ナニアレ? です。そろそろ改めた方がいいですよ、日本フォーマル協会さん。
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あっそれとモーニングコートに合わせるコールズボン?何語なんでしょう?コールはウネのある、ズボンはフランス語のジュボンに由来して、足がスポンと入るの意味とスカートのしたに履くペチコートのこと。ウネのあるペチコート?モーニングコートの下に?変態です。
イギリスではスタライプド トラウザース、シマのスラックスです。ナニコレ、コールズボン?
考えて日本フォーマル協会さん。

では、正しいフォーマルウエアを。
服装規定(ふくそうきてい=ドレスコード)とは社会の中のさまざまな場所と機会、また行事や催し物、パーティなどの場面で、その場面でしかるべきとされる服装のことをいいます。周囲への配慮から始まったエチケットで、行事によっては主催者側でフォーマル、インフォーマルなどと指定されることがよくあります。
これがフォーマルウエアの基本中の基本です。TPOに合わせた、しかるべき服装のことです。

まずは結婚式、ここで大事なのは、主役は花嫁ということです。
ウエディングドレスのほとんどが白ですから、それを引き立てるために参列者は白い色を着ない。白を着ていいのは、新婦と新郎だけ。これが結婚式のドレスコードです。
どこに黒いスーツ、シングルピークラペル、ノーベンツの必要性があります?本来は参列者全員、友人親戚はストライプのスーツでもいいんです。実は北海道は、黒いスーツを結婚式で着ないんですよ。派手なネクタイをするという習慣だけです。

でも両親と、媒酌人は頑張ります?
父親に着ていただきたいのがモーニングコートです。
モーニングコートは男性の昼の最上級正装です。カット・アウェイ・フロックコートとも言い、英語本来のモーニングコートは上着のみを指します。
コーディネートは、モーニングコートに同素材あるいはグレーのシングルのベスト(一般的にはグレー)、黒とグレーのストライプのパンツ、ウィングカラーの白いシャツ、グレーの無地或いは黒のストライプのネクタイ、白の麻かシルク(ネクタイの色に合わせる)ポケットチーフ、白い手袋、紐付きのプレーントウの靴、トップハット。完璧です。
また 特殊としてロイヤルウェディングやロイヤルアスコット競馬開催の一般観客席以外の来賓客がグレーのモーニングコートと帽子、ワイシャツ・色・柄物のネクタイかアスコット・タイ、クレリックシャツ、ベストはグレー・イエロー・ピンクなどを合わせるスタイルがあります。
このグレーのモーニングコートのコーディネートは、イギリスでは花婿や花婿の父親が着るケースもあります。
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媒酌人にお薦めなのがディレクターズスーツです。
ディレクターズスーツとは、黒色の背広とコールズボンの組み合わせの昼間用礼服を言います。アメリカではストロウラー、イギリスではブラック・ラウンジとも言います。モーニングコートよりも格下の略礼装ですが、日本では略礼服より格上とされています。(略礼服は海外にはないし。)欧米で流行した重役(ディレクター=指導者、管理者・取締役、監督者など)の執務服です。ね、媒酌人向き
コーディネートは、黒のシングルまたはダブルブレスト(一般的にはシングルブレスト)、グレーか黒のベスト(一般的にはグレー)、黒とグレーのストライプのパンツ。先に述べた日本のフォーマル専業メーカーは、上着はシングルピークラペルしかダメでずというと思います。
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次にお葬式ですが、一般の方は、喪章を付ける、これだけです。気になる方はダークスーツ(ネイビーかチャコールグレー)。海外で黒いスーツを着ていると葬儀会社の人かメン イン ブラックだと思われます。また、喪主はモーニングコートともあると思いますが、昼間は、着てもいいと思いますが、天皇家じゃないのですから、どうでしょう?イギリスで着ている人を見たことはないです。
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次にあまり縁のない燕尾服(えんびふく=テールコート)は、男性の夜間の礼服です。裾が燕の尾のようなのでそう呼ばれるようになりました。イブニングテールとも呼ばれます。燕尾服を中心にコーディネートされた服装は、ドレスコードでは白い蝶ネクタイを用いることから、ホワイトタイと呼ばれ、現在では最上級の礼服とされています。ホワイト イブニングドレス、フル イブニングドレスとも呼ばれますが、ホワイトタイの方が一般的です。
もしドレスコードにホワイトタイと書いてあったら大変です。まず既製服などないでしょうし、誂えでもイージーオーダーではできないと思います。老舗のテーラーでフルオーダーして・・・高そう!欧米では晩餐会、夜会、舞踏会、演奏会、演劇、オペラ、バレエなどでドレスコードがホワイトタイの場合があります。例えば宮中晩餐会とか。・・・呼ばれないか。
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上着テールコート=燕尾服は最初、ダブルブレストで前が閉じられるようになっていましたが、やがて閉じられないような仕立てになりました。現在の燕尾服の両胸部分にあるボタン配列はその名残です。色は濃い黒で、襟は光沢のあるピークドラペル。濃紺のものありますし、正式と認められています。

スラックスはジャケットと同じ色,側章(スラックスの横に着いたシルクの帯)のついたもの。側章は基本的には2本。裾はシングルで後ろを長めにカットしたモーニングカット。
ベストは襟付きで、胸元が広く開いたダブルもしくはシングルの白のピケ織り(縦ウネのある生地)。ボタンは全てかける。シャツは 白無地でイカ胸シャツ(胸の部分だけヨダレかけみたいに、二重になったシャツ)のウィングカラーでスタッドボタン(オニキスや黒蝶貝でできた、シャツのフロントボタンをとめる釦)で留める。首の後ろにタイを通すループのあるもの。ヒダのあるシャツはタキシードで、燕尾服にはダメです。
タイは、白の蝶ネクタイ。ベストと共生地が望ましいのですが、シルク等でも大丈夫です。「ホワイトタイ」の名が示す通り、白以外の蝶タイは絶対にダメでず。
靴は黒エナメルのパンプスかプレーントゥ。オペラパンプスでも代用できます。
後はシルクハットかぶって、白いサスペンダーして、白い手袋もって、杖持って出来上がり。
ミッキーマウスは、赤いパンツがけど良しとしよう、コナンの仮面のライバルは白い燕尾服着てるのでダメ。
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次にタキシード。
タキシード=ディナージャケットは、本来 夜間のみ着用されます。燕尾服よりもやや略式とされ、イギリスではディナー・ジャケット(会食服)、その他の欧州諸国ではスモーキング(喫煙服)と呼ばれます。
タキシードはドレスコードをブラック・タイと言います。黒い蝶ネクタイを着用するのが決まりです。タキシード着用の際には黒い蝶ネクタイが正式です。用途が広く、晩餐会から気軽なパーティーなどまで、広く着用されています。

イギリスでは結構着る機会が多くて、ストリート パーティーと言って、路地を通行止めにしてパーティーしたりするのですが、そのドレスコードがブラックタイって書いてあったりしす。そこに集まってくるメンバーのタキシードが汚い汚い、洗えよって感じです。お前ら飲み会の衣装か?と思います。

1870年代初頭、ドイツやフランスのカジノでショールカラー(へちま襟)の尾のない燕尾服を着ることが流行し、自宅の部屋でくつろいで喫煙する際に着る喫煙服のデザインを取り入れたものだったため、スモーキングと呼ばれていました。1876年、当時のイギリス皇太子エドワード7世がこのスモーキングのファッションを英国に取り入れ、ディナー・ジャケットを考案し、パーティーなどで着用しました。1886年、ニューヨークのタキシード・パーク倶楽部の正装舞踏会で、全員が燕尾服を着ている中、グリスウォルド・ロリラードという人物が燕尾服に着替えるのを忘れ、真っ赤なスモーキングジャケットを着用したままパーティーに参加したことが米国における始まりであると言われています(タキシード事件)。事件って、いいですね、リッチマンは。その後様々な色の上着、ピーク衿の上着やヒダ胸シャツ、カマーバンド、カマーベストなどが流行しました。

タキシードは礼服の世界では歴史も浅く、自由に進化しています。ミック ジャガーかロッド スチュアートがタキシードの上着にジーンズ合わせて話題になったり、結構何でもアリです。でもタキシードのお手本はジェームス ボンドです。
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先にも言いましたがタキシードは、夜間のみ着用されるものです。午後という感覚ではありません。よくかっk昼の2時から友達の披露宴なんだけど、タキシードじゃ変?」と聞かれますが、着てください。一番大事なのは、友達を祝福する気持ちです。

それに2次会、3次会に行ってどうせ夜になるんでしょ。


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