第25巻、靴。

種類も多いし、細かいし、靴好き多いし大変そう。
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靴の製法には、種類があります。
ハンドソーンウェルテッド製法は、曲がった針を使用した「すくい縫い」で、アッパー、インソール及びウェルトを、松脂を擦り込んだ麻糸で縫いつけるオーダーメードの革靴製法です。手縫い(すくい縫い)を行うため、インソールは3.5〜5mm程度の厚みを持つ革が使用されています。この非常に厚いインソールが、履き込むことで足に沿って沈みが出て、足に馴染み、持ち主の足にフィットしてくれ、疲労の少ない革靴へと変化します。
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グッドイヤーウェルト製法は、ハンドソーンウェルテッドの手縫いの製法を元に、アメリカのチャールズ・グッドイヤー2世がそれを機械化し確立した方法です。中底に貼り付けられたテープのリブと呼ばれる部分に甲革、裏革と細革と呼ばれる細い帯状の革(ウェルト)を縫い付けて、その細革とソールと縫合させます。ソールと甲革が直接縫い付けられていないので、ソールが磨り減ったとき、オールソールと呼ばれる、靴底全体を新たなものに付け替える修理が可能です。構造的に頑丈なため比較的重く、硬い仕上がりになります。工程も複雑で、販売価格が高めに設定される傾向にあります。主にビジネスシューズやワークブーツになど用いられ、歩行性・緩衝性に優れ、また長時間履いていても通気性も優れたものが多いのが特徴です。
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マッケイ製法は、甲革とソールをマッケイミシンで直接縫い付けます。グッドイヤー・ウェルト製法に比べ構造が単純で、やわらかく仕上がり、グッドイヤー・ウェルト製法と比べて軽量化が可能で、安く作ることが可能です。靴底が薄いため、返りがよいのですが、型崩れし易いという欠点もあります。通気性は良いのですが長時間履いていると疲れ易いと言われてています。主にビジネスシューズなどに用いられます。
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グッドイヤーウェルトとマッケイの見分けかたですが、グッドイヤーウェルト式のほうが、ウェルト(コバ)の張り出しが大きくなります。ウェルトとソールが縫われているからです。ただ、グッドイヤーウェルト式でも、ドレッシーさを演出するために、ウェルトをぎりぎりまで削りこまれているものもありますし、マッケイ式でもダミーの縫い目のあるウェルトがついている場合は、見分けることが困難です。また、靴底を見るとマッケイ式のほうが、内側に縫い目があることがわかります。マッケイ式は、甲革に直接ソールを縫いつけてあるのに対し、グッドイヤーウェルト式は外側のウェルト(コバ)にソールを縫いつけてあるからです。
靴の中底を見ると、グッドイヤーウェルト式の場合、中底に縫い糸がありません。それに対し、マッケイ式は、中底に縫い糸(ステッチ)があります。この中底のステッチの有る無しが一番わかり易いかもしれません。
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サイドステッチ製法は、甲革とソールを直接縫い付けますが、カップソールと呼ばれる縁がせり上がったソールを甲革に、はめ込み外周を縫合します。縫い目が地面に直接触れないので、靴の内側まで水がしみこむことは無いのですが、縫い目まで濡れる場合は足がぬれてしまいます。テニスシューズなど、スポーツシューズにこの製法が多く、かかとが無い平底になります。
ステッチダウン製法は、甲革の縁部分を内側に巻き込まず、外側に広げ、中底・ソールに縫い付ける製法で、靴の内側に縫い目ないため、しばしば雨靴などにこの製法が採用されます。ただし、外見上は外側に広がった甲革が美観を損ねるので、高級靴にはこの製法は採用されず、カジュアルな靴に多い製法です。
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ラバー製法はセメンテッド式やセメント式などとも呼ばれ、甲革とソールを縫い付けず、糊で接着する最新の製法です。糊が改良され、非常に強力な接着力を実現することができた結果実用化されました。ミシン工程が存在しないので、靴底から水分が浸入することは無く、雨靴にも採用されます。大量生産に最も適しており、一般のビジネスシューズの中では最安価な製法です。
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以上製法でした。良いですか?靴好きの方々。

次に代表的なブランド、イギリスから。
ジョン ロブは1894年セント ジェームスで創業のロイヤルワラントを持つ高級注文靴ブランドで、今はエルメスの傘下です。
チャーチは、イギリスではチャーチーズですが、日本ではチャーチで通っています。創業は1873年、今はプラダの傘下にあります。チャーチの紳士靴は、中敷に押し彫りで刻まれているファクトリーロゴの都市名で製靴年代を判断できると聞いたことがあります。
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エドワードグリーンは、1890年創業。 機械製ながら少量生産・品質重視のブランドです。
トリッカーズは、1829年創業の「ロイヤルワラントの称号を持つ老舗革靴ブランドで、造りは堅牢なグッドイヤーウェルト製法を採用しており、その屈強さと丈夫さはよく「質実剛健」と称されます。トリッカーズといえば、日本ではなんと言ってもカントリーコレクションが有名ですが、ドレスシューズも人気あります。トリッカーズ良いですねぇ。
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チーニーは1886年創業、クローケット &ジョーンズは、1879年創業。ワラビー、デザートブーツのクラークスは1825年創業。

なんとなくイギリスの印象の強いDr.マーチンは、ドイツのブランドで、ドイツ軍の医師のクラウス・マーチンが第二次世界大戦中に作り上げました。ドイツでは、ドクトーアマルティン。イギリスでは最初、1960年に8ホールのチェリーレッド、ナパ革のデザインが発売されました。それが郵便屋、警察官、工場労働者などの間で人気になり、1960年代後半には、チェリーレッドのブーツがストリートギャングの象徴的スタイルとなりました。1970年中頃、ブーツがイギリスのパンクロックスターの間で人気となり、そのファンもまたDr.マーチンのブーツを履くようになりました。
昔のDr.マーチンはイギリス製だったんですけど、最近違うみたいですね、なんかがっかり。
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次にフランス。
ベルルッティは、 1895年にイタリア生まれのアレッサンドロ・ベルルッティが、パリで創設した高級紳士靴ブランドです。
ベルルッティが採用している革は、ヴェネツィア・レザーと呼ばれる高級かつ特殊な革で、 ベルルッティだけが使用することが許された特別な革です。
またパティーヌという何度も色を重ね塗りして完成させる技法で、独特の色ムラとヴィンテージ感を演出し、 芸術作品のような雰囲気を革製品に与えます。次にカリグラフィというレザーをかすかに焼いて刻み、文字の場所やロゴの配置などをそれぞれ変えています。パティーヌと同様に、同じものはひとつとないというオリジナル性が発揮されます。
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J.Mウエストンは、1932年パリ・シャンゼリゼ通りにショップがオープンしました。180ローファーはパリの学生運動のシンボルとなりました。
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パラブーツは、1908年フランス東部の町の小さな靴工房から始まりました。当時から山岳労働者向けの靴を積極的に製作し、登山靴のリーディングメーカとなりました。ソールの原料にブラジルのパラ港から出荷される天然ラテックスを使用し登山靴のエッセンスも取り入れたタウンシューズのブランドをスタートさせました。それがパラブーツの名前の由来です。


イタリア。
ア テストー二、1929年ボローニャで創業。ア テストー二はボロネーゼ製法というマッケイ製法を発展させた製法を守り続けています。ボロネーゼ製法は、裏革を袋状に縫い合わせ、半中底を使用して、柔軟性に富み足当りが柔らかく、履き心地が良い上に、高いデザイン性を可能にしたものです。

タニノ クリスチー二は、1876年ミラノに小さいなブティックを構えました。ミラノの貴族たちの乗馬用ブーツや靴を作るところからスタートし、現在シンボルマークとなっている乗馬の絵は、創業時の店の看板でした。主にはマッケイ製法が採用されていて、素材となるカーフスキンは上質なものを使用しており、足馴染みが良いのが特徴です。創業時から「靴の履き心地の良さ」に徹底的にこだわり続け、つま先の形状、アッパー、縫い目、踏みつけ部分、踏まずアーチなど厳密に設計されています。近年、一部工程が機械化されたが、多くは職人のハンドメイドで行われています。
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サントーニは、1975年創業、レザースニーカーブームの火付け役となったブランドです。
サルヴァトーレ・フェラガモが最初に靴を作ったのは9歳の時で、教会の儀式に参加する妹の靴だったといいます。11歳の時、自宅で靴屋を開業、15歳でアメリカのボストンに渡り、その後カリフォルニアに移り、サンタバーバラで映画の衣装として靴を製作したり、ハリウッド俳優らを顧客にし「スターの靴職人」と名声を集めました。また、足を痛めない靴を製作するため、南カリフォルニア大学で解剖学を修め、1927年イタリアに戻りフィレンツェで「サルヴァトーレ・フェラガモ」を開業しました。
後は、ドライビングシューズのトッズ、パドローネ、ブッテロ、昔流行ったロセッティなど。


アメリカ。
オールデンは、1884年創立されました。最上級の素材を用い、コンフォータブルなフィット感を実現、1970年代には、特殊な形状の医療用矯正靴がファッションシーンでも高く評価され、素晴らしい履き心地とともに名声を世界へと広がりました。
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アレン エドモンドは、1922年創業の釘を使わず、硬い鉄のシャンク(土踏まず部分の芯)も使わない、歩く度に屈曲する足に合わせてフレキシブルに曲がるとても履き心地の良い靴です。
コール・ハーンは1928年にシカゴを拠点に創業されました。
ダナーは、1932年、チャールズ・ダナー、ウィリアム・ウィエンハーグとその甥の3人によって、アメリカウィスコンシン州で誕生した。1979年には、ダナーライトというモデルで、世界で初めてゴアテックスをブーツに採用しました。
レッドウィングは、1905年、アメリカミネソタ州のレッドウィングという街で、14人の仲間と共に小さな工場を設立し、現在でも、アメリカ国内での生産にこだわり、本格的な作りに相反した控えめの値段設定などの条件が重なり、世界中のワークブーツを代表するブランドです。
レッド ウィングといえば、エンジニア、ベックマン、クラシックワークなどヘビーなイメージが主流ですが、30年近く前、プレーントゥ、ブラック、ラバーソールが大流行しました。
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最後にスペイン、カンペール。カンペールは、スペイン・マリョルカ島に拠点を置く靴製造企業。camperとは「田舎の」や「素朴な」を意味し、 左右非対称の靴、奇抜な彩色の靴などで知られています。
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実は私カンペールマニアで、もう30年位カンペールを履き続けています。決して履きやすいとか、疲れないとかという靴ではないのですが、オリジナリティーと、最初に見たときのインパクトが大きくて履いています。多分今まで12足以上買ったと思います、今でも8足持っています。カンペールを初めて見たのはロンドンのスローンストリートのショップで、壁に1足づづ(左だけ)ピンで飾ってありました。変な靴屋と思って入ってみると、見たこともないレザースニーカーだらけでした。その中にラグビーボールみたいなデザインと色のものがあり、試したいとサイズを出してもらいました。そうすると、その壁全体が回転してストックが現れました。ビックリ・・・お買い上げという流れです。それまでは革底のお高い靴を中心に買っていたのですが、靴はキリがなく、丁度嫌になっていたこともあり、カンペールにしようと決めたのでした。
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