第14巻、スーツの特徴。

スーツの特徴の話をするとスーツの世界では、イギリスが一番長い伝統を持っていて、このことからスーツのルーツはイギリスにあると言えます。
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イギリスのスーツの全体的なスタイルは、ウエストは若干絞り込んだハッキングシルエット、胸元のきれいなイングリッシュドレープが特徴です。胸板を強調させて男性の力強さを表しています。
肩幅は、小さくタイトめにカチッと仕上げるのが特徴で、パッドが用いられ肩の張ったスクエアーショルダースタイルです。
ジャケットの着丈はやや長く、サイドベンツが基本で、袖口はタイトに仕上げます。
高めのウエストはタイトに絞り、裾にフレアー感を出したシェープド・ラインが特徴です。
スーツの色は、ダークブルーやダークグレー、ネイビーやブラウン系など、ベーシックで無難なもので、柄も、グレンチェックやピンストライプなど、メンズスーツにおける基本的な柄が好まれています。
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イギリス製のスーツの特徴として、腰ポケットのどちらかだけを上下に2つ並べたチェンジポケットや、ダブルブレストがあります。またパンツにサスペンダー用のボタンがついているのもイギリス製の特徴です。そうななんです、イギリスのスーツの基本はサスペンダーなんです。
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そう言えばジェームス ボンドは、ショーン コネリーの時代にはサビル ローのテーラーの服を着たいたのですが、ブリオーニを着たり今ではトム フォードも着ているんですよね。


イタリアのスーツの特徴は個性をアピールすることに重点を置いて、歴史の中で何度もデザインが変わってきました。 デザインが変わるたびに新しい素材や新しい技法が使われてきたため、イタリアンスタイルのスーツは世界中のテーラーから技術面でも高い関心を浴びています。
イタリアのスーツは、柔らかでエレガントなスタイル、大胆なシルエットと色使い、遊び心にあふれたデザイン。柔らかな風合いを上手に生かし、肌に吸い付くようなフィット感とドレープ感で、男性のセクシーさやエレガントさをアピールします。ジャストな肩幅で、首にかけてのしなやかなラインが特徴です。ジャケットはヒップラインを強調するため着丈はやや長めで、大きめのフロントカット。ゴージラインを高めに設定し、クラシカルな雰囲気を演出しています。ウエストラインは高く しっかり絞り、胸の厚みやヒップラインを強調しています。イタリアのスーツの特徴は遊び心を適度に入れるところにもあります。袖の重ね釦=キス釦や、胸のバルカポケットもそういったものです。
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ナポリのスーツはオーダーメイド(ス・ミズーラ)が基本です。サルトと呼ばれる仕立て屋が、丁寧に手作業で作っています。その作業風景もまた独特で、型紙を一切作らずに生地に直接チョークで書き込み、仮縫いをしながらオーダーした人の体型に合わせて縫製していくというスタイルになっています。こうすることによって、型紙を使って仕立てたスーツに比べ、柔らかい雰囲気に仕上がるのだそうです。
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クラシコイタリアのスーツは、伝統的なテイストに独自の解釈を加えたデザインの既成服となっており、クラシックな雰囲気と斬新なイメージがうまく融合しています。クラシコイタリア協会に加盟しているスーツメーカーが作る既成服のスーツは、最高の既製服ブランドとして世界的に有名になりました。
クラシコ・イタリア協会は、1986年に組織されたイタリア・フィレンツェに本拠地を置く伝統的既製服縫製業界組合です。彼らの作り出す商品の傾向を、クラシコイタリアと呼び、同協会に属さないメーカーの商品をも含まないのが基本、協会所属の会社としてはルイジ・ボレリ(シャツ)、イザイア(重衣料)、キートン(全般)、エルノ(コート)等が有名です。
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アメリカのスーツは、多種多様の人種に対し、一着一着手作業でオーダーメイドのスーツを作るのは、効率が悪くビジネスとしてもあまり合理的とは言えません。そこで、もともとファッション産業の歴史が浅かったアメリカでは、服といえば既製服が基本だったこともあり、どんな体型の人にでも合うような既製品のスーツを効率良く大量に作ることが盛んになっていきました。
ウエストの絞りが少ないボックス型のシルエット。動きやすさと機能性を重視したアメリカ独自の伝統的なスーツスタイルです。
自然な肩のライン沿って作られたナチュラルショルダーライン。
ゴージライン高めのノッチドラベルで袖付けはゆったり。フロントは3つボタン段返り、後ろはセンターベント。前ダーツなしの大きめなラウンドカットです。
ウエストの 絞りはあまりなく、パンツもやや太めでダーツを入れない包み込むスタイルが特徴的です。

以前アメリカのスーツに関してこんなことを聞いたことがあります。
タイタニックの時代、産業革命で蒸気船が作られ、イギリス人を始めたくさんの人がアメリカを訪れ急激に人口が増えました。そのたくさんの人々がスーツを着るようになって、大量にスーツを作る必要が生まれました。そこでミシンだけで簡単に大量に縫えるスーツを考えました。それが日本で言うトラッドの1型です。ジャケットの前ダーツもなく、ミシンだけで唯一縫うことが可能なフックベンツがそれを表しています。今でもJプレスが展開しているモデルです。この話満更でもなくて、時代背景と当時の流行3つ釦段返りがマッチするんです。
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日本もいつかオリジナリティー溢れるスーツを作り上げられれば良いですね。

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